マジックミラー(ハーフミラー)やラミトリックに関して
マジックミラーは一見すると普通の鏡にしか見えないのに反対側から見るとガラスのように透過像が見える不思議な鏡です。この現象は原理的にラミトリックやレースのカーテンと同じで、部屋内外の明るさを利用したものです。
◆原理
この現象はマジックミラーの透過率、反射率のバランスとマジックミラーを挟んだ室内、室外の明るさの差により発生します。以下明るい屋外(明るさ100)と室内(明るさ10)を透過率50%反射率50%の理想的なマジックミラーで仕切った場合について大雑把に考えてみます。まず屋外側からマジックミラーを見た場合は明るさ50の室外の反射像と明るさ5の室内の透過像が見えることになります。しかし騒がしい所でひそひそ話が聞こえないのと同様明るい反射像の中の暗い透過像は見えず普通の鏡のように見えます。次に室内からマジックミラーをみると、明るさ50の屋外の透過像と明るさ5の室内の反射像が見えることになり、明るい透過像のみ見えるというわけです。一方夜になると室内外の明るさが逆転することで見え方も逆転します。
○日中の場合
屋外の観察者には明るさ50の反射像と明るさ5の室内透過像が届くが明るさの違いから反射像しか認識出来ない。
→鏡のように見える

室内の観察者には明るさ50の透過像と明るさ5の室内反射像が届くが明るさの違いから屋外透過像しか認識出来ない。
→ガラスのように見える

○夜間の場合
屋外の観察者には明るさ5の透過像と明るさ0.5の屋外反射像が届くが明るさの違いから室内透過像しか認識出来ない。
→ガラスのように見える

室内の観察者には明るさ5の室内反射像と明るさ0.5の屋外透過像が届くが明るさの違いから室内反射像しか認識出来ない。
→鏡のように見える

ラミトリックやレースのカーテンでは小さな穴で透過と(拡散)反射のバランスを調整し同様の現象を起こしています。つまりマジックミラーやラミトリックが効果を発揮する為には中と外の明るさの差が十分あることが必要となり、“中から外が見えて外から中が見えないガラス”ではなく“明るい側から暗い側が見えない(見え難い)ガラス”という点を理解することが重要です。

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