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中島硝子工業株式会社

複層ガラスの基礎

   ◆複層ガラスの断熱性能とは

熱の伝わり方には伝導、対流、放射の3つの現象があり、複層ガラスを含めた断熱材とはこれらを抑制する能力が高い物のことです。これらの現象について詳しくみると


熱伝導

熱伝導


 伝導とは主に固体における熱の伝わり方で、熱が接触している物体中に拡散する現象です。一般的に固体>液体>気体の順に熱伝導率が小さくなり、複層ガラスに限らず衣服等でも断熱といえば気体(空気)を利用して全体の熱伝導率を下げることが一般的です。

対流

対流


 対流とは液体や気体のような流体において生じる熱の伝わり方で、熱を持った流体の一部が内部を移動することにより別の場所に熱を伝える現象です。複層ガラスの断熱性能はガラスによって空気を遮断し、戸外-複層ガラス内-室内の空気の対流を防ぐことが基本となります。

放射

放射


 放射とは電磁波による熱の伝わり方で、熱をもった物体から生じる電磁波を対象が吸収することで熱が伝わるので真空中でも熱が伝わります。日光が暖かく感じるのはこの現象です。通常の複層ガラスの場合、空気には電磁波の遮蔽効果がなく、ガラスは直接透過はしないものの吸収→温度上昇→放射となり放射熱を防ぐ効果はありません。


 このように通常の複層ガラスは2枚のガラスで空気を密封し透明断熱材として利用することで熱伝導と対流を抑えることで断熱効果を得ています。空気層の厚みが厚い程断熱効果が高まる点も他の断熱材と同様ですが、単一空気層からなる断熱材では厚みが一定の値(約15mm)を越えると空気層の中で対流が発生するようになり、それ以上断熱性能が向上しなくなります。こういった場合は空気層をガラス等の遮蔽物で分割し、対流を抑えることでさらに高い断熱性能を得ることが可能になります。