LowEガラス
◆LowEガラスとは
LowEガラスのLowEとは「Low Emissivity」(低放射)を略した言葉でガラスの表面に放射率が低い金属をコーティングしたガラスです。放射(電磁波)による熱移動とは赤外線(近赤外線、遠赤外線)による熱移動のことで、あらゆる物体間で発生しています。近赤外線は可視光線に波長が近いこともありガラスを含め多くの物体を透過しますが、遠赤外線はガラスやプラスチック、水など多くの固体、液体で透過性がなく、表面で吸収されます。吸収された赤外線は熱に変わり温まったガラスの表面から再び放射されます。LowEガラスにはこの放射を大幅に低減する効果があり、空気層を挟んだガラス間において放射による熱移動を8割程度抑制します。また、遠赤外線の放射率の低さとは反射率の高さによるものなので、LowE複層ガラスの向きは断熱効果に殆ど影響しません。
◆製造方法によるLowEガラスの分類
LowEガラスにはその製造方法の違いによりソフト、ハードの二種類が存在します。ハードLowEガラスはガラス製造時、溶解炉から出た直後の高温のガラスに吹き付けて製造されたガラスです。非常に安定しており、単板で使用してもコーティングはほとんど変質、劣化しません。(ただしコーティングには微細な凹凸があり汚れが付き易く落ち難いので単板使用はお勧めしません)ソフトLowEガラスは通常のガラスにスパッタリング処理等を施したものです。ソフトLowEはハードLowEと異なり一般大気中に放置すると酸化して変色、LowE性能が低下するため、複層ガラス内に密封する必要があります。遮熱性能や色合いはコーティングの種類によって異なります。
※ 本ページは放射による熱移動を簡易的に説明したもので、実際には低温側ガラスからも放射は発生しています。
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