ガラスの不良と呼び方
ガラスにも他の工業製品同様、製造工程で生じる不良が存在します。それら不良の種類とガラス業界での呼び方を紹介します。
キズ
一般的にガラスはキズにつよい素材ですが、全くキズがつかないわけではありません。指でわかる程度のキズでは繰り返し力が加わることで徐々にヒビに成長し、割れる場合もあるので注意が必要です。
異物
ガラスは原料となる石等を砕いて混合、溶融することで製造されます。砕いた段階で除去しきれなかった不純物や、溶融工程で溶け残った原料が異物としてガラス内部に見つかることもあります。
あわ
製造時に高温で溶融状態のガラス内部に発生した泡が冷却後のガラスに残ってしまったものです。
ヒビ
ガラスの取扱いで強い力や衝撃が加わるとヒビが入ります。一旦ヒビが入るとガラスの部分的な温度差や風等によりガラスに加わった力がヒビの先端に集中するので、さわらなくても徐々にヒビが成長し、割れる可能性が非常に高くなります。
エッジに生じる不良
ガラスの最も基本的な切断方法はガラスカッターで表面にカッター線(キズ)をいれ、その線に沿って折り割る方法です。この方法はガラスカッターの扱い、折り割りの両方に慣れが必要で、不良なく切断するには経験が必要です。他にも砥粒入りの水で切断するウォータージェットや回転する砥石で削り取るような加工方法もありますが、大掛かりな設備が必要な上にカッターを使った切断よりも時間がかかるので、主に折り割が困難な形状にのみ使用されます。
逃げ
ガラスの折り割り時、切断面がガラスカッターの線から逸れてしまった状態です。通常折り割りの起点と反対側に生じます。
つの、欠け
ガラス切断時、カッター線の途中で一部がカッター線から逸れてしまった状態です。凸の逸れた部分を角(つの)、凹に逸れた部分を欠けと呼びます。欠けは切断時以外にもエッジに硬いものがあたると生じます。
そげ
ガラス切断時、切断面が厚み方向にまっすぐ割れていない状態です。突き出した部分は非常に鋭利な先端を持ち大変危険です。非常に鋭利な分脆いので硬いものでエッジを撫でれば、ポロポロと欠け落ちます。
はま欠け
ガラスのエッジに強い力が加わることでエッジを基点に貝殻状に表面が欠けた状態です。深さが浅ければ強度的にさほど問題になりません。
ガラス単体での不良は概ね上記に分類されます。合わせガラスや複層ガラス等の加工ガラスでは別の不良が生じることもあります。
中島硝子工業株式会社
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