ガラスで未来を創造する。

中島硝子工業株式会社

フロートガラスの表裏

 現在建築用ガラスとして使用されている平滑なガラスはほぼ全てフロート法という製造方法で製造されています。フロート法は溶けた錫の上に溶けたガラスを浮かして平らな板を作る方法で非常に歪みが少ないガラスが出来る製造方法です。通常意識することはありませんが、この方法で作られたガラスの錫に接していた面には薄く錫が付着してます。この面をボトム面(錫面)と呼び、特に何も触れてない反対の面はトップ面(非錫面)と呼ばれます。日常使用には全く影響しませんが印刷加工では錫の影響により表裏で発色が若干異なったり、合わせ加工では中間膜の接着力が変わったりと加工内容によっては判別が必要なことがあります。

表裏の判別方法

   ◆切断面による判別方法

 フロート法で製造されたガラスは冷えて固まった後もそのまま裏返されることなく製造ラインを流れ、切断工程で切断されます。切断工程ではガラスを下から支えた状態でガラスの上側(トップ面)をカッターが走り、そのキズにそってガラスを折り、四角く切り出されたものが出荷されます。当社のような加工会社ではこれを製品サイズに切って使いますがこの切断時も初期と同じくトップ面(非錫面)からカッターを当てて切断を行います。このように切断時にカッターをあてる面が統一されたガラスであれば切断面を見てカッター面を判別すれば表裏が判断できます。ただしこの方法では面を意識せず切断された場合や、切断面に磨き加工を行うと判断出来ません。

   ◆UVランプによる検査法

 フロートガラスに対して蛍光検査灯などで紫外線を照射するとトップ面(非錫面)では特に何も起こりませんが、ボトム面(錫面)ではガラスが白く発光します。これはガラスが300nm以下の紫外線を通し難いことにより、ボトム面(錫面)に紫外線を照射すると表面の錫が蛍光を発するのに対し、トップ面(非錫面)に照射するとガラスに吸収され錫に届かないためです。この違いを目視や機械で確認して判別します。

フロートガラスの面による違い