鏡の反射と紙の反射(透明ガラスとフロストガラス)
光を反射するものといえばまず鏡が頭に浮かぶと思います。実際鏡は受けた光の90%以上を反射します。一方で白い紙も反射率が高く、普通のコピー用紙でも80%程度、ものによっては90%と高い反射率があります。この二つを比べると反射率の数値は同程度ですがいくら紙を覗き込んでも鏡のように自分や周囲の景色を見ることはできません。これは鏡では光が正反射(鏡面反射)しているのに対して紙(白板)では光が拡散反射していることによるものです。
正反射は反射面に対する光の入射角と反射角が同じになるという現象で、鏡の場合極めて平滑な鏡面の全ての位置で正反射が起きることで元の入射像を正確に見ることが出来ます。一方拡散反射では入射した光が表面の微細な凹凸によりいろいろな方向に反射するため、光自体は鏡と同程度に反射しているものの像が崩れてしまい元の形がわからない状態になります。艶(光沢)のある紙とは拡散反射に加えて一部が正反射している状態で、正反射の割合が高い程艶(光沢)のある紙になります。
この状態はガラスなど透明な物体を通してものを見る場合(透過像)も同様で、通常の透明ガラスでは光がまっすぐ透過する割合(平行光線透過率)が高くガラスの反対側の景色がそのまま見えますが、フロストガラスでは表面の凹凸により光線が拡散して透過する割合(拡散透過率)が増え、光の透過率自体は透明のガラスと変わらないものの像がぼやけて見えにくい状態になります。
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