ガラスで未来を創造する。

中島硝子工業株式会社

窓ガラスの性能値3 - 遮熱性能値

♦日射熱取得率(η値)

JIS R3106によって定義された値でガラスにあたった太陽光による熱が室内に伝わる割合を表しています。日射熱取得率が小さい程太陽光線による熱を遮る効果が高く、高遮熱ということになります。

♦遮蔽係数(SC値)

厚さ3mmの透明フロートガラスの日射熱取得率(0.88)を基準とした場合の日射率取得率の相対値(遮蔽係数=日射熱取得率/0.88)です。

従いまして日射熱取得率と遮蔽係数は基準が異なるだけで同じ機能を示す性能値です。

日射熱取得率(遮蔽係数)は 光学性能 の日射透過率と類似の性能値ですが、日射透過率が光線の透過率だけを表すのに対して、日射熱取得率はガラスが吸収した熱が室内に与える影響も考慮されます。

日射透過率は可視光から近赤外線の透過率、日射熱取得率は日射透過率とガラスからの放射を含めて求める

この為、日射吸収率が高い熱線吸収ガラスと日射反射率が高い熱線反射ガラスを比較した場合、日射透過率が同じであっても日射熱率取得率は熱線反射ガラスの方が低くなります。※1 また、高断熱複層ガラスに使用するLowEガラスの効果「低放射による熱移動の抑制」は遠赤外線領域の話なので、透明なLowEガラスは遮熱性能にあまり影響しません(日射吸収率が高いガラスの場合、ガラスが吸収した熱の移動が抑制されるので遮熱性能にも影響します)。遮熱LowEガラスは上記遠赤外線領域の効果に加えて近赤外線~可視光線の範囲でも反射・吸収効果の高い物になります。

遮熱ガラスは通常ガラスと比べて窓から入る日差しの熱が少ない
遮熱性能 ガラスへ日光照射時、室内に入る熱量 効果
高性能 体感的な日差しが和らぐので大きな窓やトップライトへ
標準 少しでも多く日差しを採り込みたい窓や冬を重視する部屋へ

日当たりの良い部屋に高遮熱のガラスを使用した場合、夏は日差しによる温度上昇が軽減できますが、冬も日差しによる恩恵が得にくくなってしまいます。※2 また、遮熱性能は日差しを遮る性能なのであまり日光があたらない窓に高遮熱のガラスを用いても、装飾的な場合や特殊な状況を除けば特に効果は期待出来ません。また、空調負荷の軽減という点では多くの場合遮熱より断熱の方が有効ですが、身体に日差しがあたるような状況では体感的には遮熱効果が大きく影響します。


※ 1
反射が高いガラスは温度上昇が小さく、ガラスから室内に伝わる熱が少ない
熱線吸収ガラスは太陽光線を吸収することで日射透過率を低く抑えていますが、吸収した太陽光はガラスの温度上昇を招き、この熱の一部が室内に伝わることになります。対して熱線反射ガラスは反射率を高めるコーティングがされており、熱線吸収ガラスと比較して低い吸収率で同程度の日射透過率になります。また透明ガラスの場合、遮熱効果は大部分がガラス表面での反射によるもので、厚さが基準ガラス(3mm)の倍にあたる6mmでも遮蔽係数は0.96(日射熱取得率0.84)とあまり変わりません。
※ 2 断熱性が高い住宅の場合、日当たりの良い部屋は冬でも冷房が必要なほど室温が上昇することがあります。これにはお住まいの地域、日当たり、部屋全体の断熱性、容積、窓の向き、大きさといった様々な要因が影響する為、ハウスメーカー、設計事務所の方とご相談のうえご検討下さい。
※  本ページの説明は解りやすくするために内容を簡略化してあり、必ずしも用語の正確な意味を説明したものではありません。